2社間・3社間ファクタリングの違い|手数料・スピード・リスクを比較
2社間と3社間ファクタリングの違いを、手数料率・入金スピード・売掛先への影響で比較。状況別の選び方ガイドも解説します。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの仕組み
ファクタリングには「2社間」と「3社間」の2つの契約形態があります。 どちらを選ぶかによって、手数料率・入金スピード・売掛先への影響が大きく異なります。
2社間ファクタリングの仕組み
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2者間で契約します。 売掛先にはファクタリングの利用を通知しません。
取引の流れは次のとおりです。
- 利用者がファクタリング会社に売掛金の買取を申し込む
- ファクタリング会社が売掛先の信用力を審査する
- 審査通過後、手数料を差し引いた金額が利用者に入金される
- 支払期日に、利用者が売掛先から入金を受ける
- 利用者がファクタリング会社に売掛金を送金する
売掛金の回収は利用者が行い、回収した資金をファクタリング会社に支払います。
3社間ファクタリングの仕組み
3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・売掛先の3者間で契約します。 売掛先に債権譲渡の承諾を得る必要があります。
取引の流れは次のとおりです。
- 利用者がファクタリング会社に売掛金の買取を申し込む
- 利用者が売掛先に債権譲渡の承諾を依頼する
- 売掛先が承諾後、ファクタリング会社が審査を行う
- 審査通過後、手数料を差し引いた金額が利用者に入金される
- 支払期日に、売掛先がファクタリング会社に直接支払う
売掛金はファクタリング会社が売掛先から直接回収します。利用者を介さないため、未回収リスクが低くなります。
2社間と3社間の比較
| 比較項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
|---|---|---|
| 手数料率 | 8%〜18% | 2%〜9% |
| 入金スピード | 最短即日〜3営業日 | 1〜2週間 |
| 売掛先への通知 | 不要 | 必要(承諾が必要) |
| 売掛金の回収 | 利用者が回収し送金 | 売掛先が直接支払い |
| 審査の難易度 | 比較的通りやすい | 売掛先の承諾が必要 |
| 未回収リスク(ファクタリング会社) | 高い | 低い |
| 利用に必要な手続き | 少ない(2者間のみ) | 多い(3者の合意が必要) |
手数料率の差が最大のポイントです。 例えば、売掛金300万円の場合、2社間(手数料12%)では36万円、3社間(手数料5%)では15万円で、21万円の差が出ます。
手数料率が異なる理由
2社間と3社間で手数料率に大きな差がある理由は、ファクタリング会社が負う未回収リスクの違いです。
2社間のリスク構造
2社間では、売掛先からの入金を利用者が受け取り、それをファクタリング会社に送金します。 このプロセスには以下のリスクがあります。
- 利用者が売掛金を受け取った後、ファクタリング会社に送金しないリスク
- 利用者が倒産し、送金が不能になるリスク
- 売掛先が支払わなかった場合の回収が難しいリスク
これらのリスクを手数料に上乗せするため、8%〜18%と高めに設定されます。
3社間のリスク構造
3社間では、売掛先がファクタリング会社に直接支払います。 利用者を経由しないため、以下の点でリスクが低減します。
- 利用者の信用リスクが大幅に低下
- 売掛先が直接支払うため回収の確実性が高い
- 債権譲渡の通知により法的な対抗要件を確保
結果として、手数料率は2%〜9%に抑えられます。
どちらを選ぶべきか:状況別ガイド
2社間ファクタリングが適しているケース
- 売掛先にファクタリングの利用を知られたくない場合 — 取引関係への影響を懸念する場合
- 即日〜3日以内に資金が必要な場合 — 売掛先の承諾を待つ時間がない場合
- 売掛先が承諾に応じてくれない場合 — 大手企業など、債権譲渡に消極的な企業の場合
- 初回利用で手続きを簡単に済ませたい場合 — 2者間の契約のみで完結
3社間ファクタリングが適しているケース
- 手数料を最小限に抑えたい場合 — 2社間と比べて手数料率が大幅に低い
- 売掛先との関係が良好で、通知に問題がない場合 — 売掛先が協力的
- 1〜2週間の猶予がある場合 — 入金までの時間に余裕がある
- 継続的にファクタリングを利用する予定がある場合 — 長期的にコストを抑えたい
手数料のコスト差を計算する
| 項目 | 2社間(手数料12%) | 3社間(手数料5%) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 手数料 | 360,000円 | 150,000円 | 210,000円 |
| 受取額 | 2,640,000円 | 2,850,000円 | 210,000円 |
毎月ファクタリングを利用する場合、年間のコスト差は252万円(21万円 × 12ヶ月)に達します。 売掛先の承諾が得られるなら、3社間を検討する価値は十分にあります。
法的な違い
債権譲渡登記
2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社が法的な対抗要件を確保するために「債権譲渡登記」を行うケースがあります。 登記費用(数万円程度)は利用者負担となる場合があります。
3社間ファクタリングでは、売掛先に対する「確定日付のある通知」で対抗要件を具備するため、登記は通常不要です。
償還請求権(リコース)
売掛先が倒産し売掛金が回収できなかった場合に、利用者に返金を求める権利を「償還請求権」と呼びます。
- ノンリコース(償還請求権なし): 売掛先が倒産しても利用者に返金義務なし。一般的なファクタリングはこの形式
- ウィズリコース(償還請求権あり): 売掛先が倒産した場合、利用者に返金義務あり。手数料は低めだが、実質的に融資に近い
契約時に「償還請求権の有無」を必ず確認してください。
よくある質問
- 2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いは何ですか?
- 主な違いは、売掛先への通知の有無です。2社間は利用者とファクタリング会社の2者で契約し、売掛先に通知しません。3社間は売掛先の承諾を得て3者で契約します。手数料率は2社間が8%〜18%、3社間が2%〜9%と、3社間の方が大幅に低くなります。
- 2社間ファクタリングのメリット・デメリットは?
- メリットは、売掛先に知られずに利用でき、最短即日で入金される点です。デメリットは、手数料率が8%〜18%と3社間より高いこと、債権譲渡登記の費用がかかる場合があることです。
- 3社間ファクタリングのメリット・デメリットは?
- メリットは、手数料率が2%〜9%と低い点です。デメリットは、売掛先に通知する必要があること、承諾を得るまでに時間がかかること(入金まで1〜2週間)です。
- 売掛先にファクタリングの利用を知られるとどうなりますか?
- 売掛先がファクタリングの利用を認知すること自体は、法的な問題はありません。ただし、「資金繰りに困っているのではないか」と懸念される可能性があり、取引条件の見直しにつながるケースがゼロではありません。関係性が良好であれば影響が少ないことが多いです。